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?…好き…?

第13章 もう…

思い出される、脳裏に焼き付く、あの笑顔…
初めてのホテル…
一糸纏わぬ姿で…
『好きって…言ってるじゃない…』
そう言った…
眼鏡を外して…
ベッドの上で横たわり…
髪をほどいて…
上目遣いでこちらを見つめて…
微笑む…
あの笑顔…
クソッ…
どうしちまったんだ…
俺は…?
昔は…
平気で彼氏のいる女と…
自分と付き合ってるんじゃない女と…
エッチしたりしたじゃないか…
なのに…
なのに…
どうしても…
あの笑顔が…
忘れられない…
……………
このあいだと同じだ…
いや…
このあいだより、たちが悪い…
色んなことを考えてしまう…
こんなに…
○○駅までの道のりが…
彼女と別れてから…
車までが…
遠く感じるなんて…
俺と…
彼女の…
距離…?
……………
車に乗り込んだ。
ダメだ…
家に帰るんだ…
元の自分に…
いつもの自分に…
戻らなくては…
ハンドルを握りしめ、アクセルを踏み込む…
……………
それから、一週間に一度程度だろうか、何度か仕事帰り、○○駅へのドライブをした。
休みが一緒の時に、○○駅に押し掛けて、ランチに誘おうとした…
電話をする。
出ない…
諦めて、彷徨き始めていると、電話が掛かってきた。
「電話くれた?」
「うん、ごめんね突然…お昼ご飯一緒に食べない?」
「どこにいるの?」
「○○駅の近くの○○○の辺り、今日は車使われちゃって、電車で来たんだ」
彼女は、子供を連れて、来てくれた。
買い物途中だったらしい。
彼女の車に乗り込んだ。
相変わらず、子供がニコニコと話しかけてくる。
「元気か~?お買い物してたの~?」
俺が話しかけてやると、子供は楽しそうだ。
「やりたいこともあるし、買い物も置きたいから、一度家に帰らなきゃ」
え…
何かイヤな…
「家汚ないし、中には入れられないけど」
「入るつもりなんかないよ…」
知りたくない…
行きたくない…
「大丈夫かしら、ストーカー君連れてっちゃって」
ホラ来た…

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