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?…好き…?

第7章 手術…

「病院てさぁ、病気の人がいるんだから、当たり前かもしれないけど、寒いといけないのか、私には暑くって~、汗かいちゃう、寝苦しくってしょうがないよ~、」
「まぁ、それはしゃ~ないだろ~」
「長袖しか用意してきてないし、お腹も出始めてるし、アナタのTシャツ貸してよ」
「マジで言ってんの?」
「うん」
「マジで着るの?俺のTシャツを?」
「着る着る」
大丈夫なのかな?旦那の目とか…?
ま、手術後も来ていいと言ってる様なもんか。
ホントに着なくても、別に構わんし、一応持って来るか…
何だか、嬉しい様な気もした。
その日は、そんな感じで帰ることにした。
「入口まで私も行く」
「いいのに、アンタ一応入院患者なんだし(笑)」
彼女は入口の外まで出てきてくれた。
又、手を握り合う…
「手術…明日…だね…」
「うん」
「頑張ってね…俺から…パワーを受け取って…」
「ありがと…でも…私は麻酔で寝てればいいだけだから…」
「まぁ、そうだけどさ…」
本来なら、これは、俺がすべきことではないのかもしれない。
でも、俺が、彼女を見守りたかった。
「だけど…眼鏡してて良かったよ…眼鏡してなかったら…ちゅ~しちゃうとこだよ…」
彼女の耳元で囁いた。
励ましたかった。
もしものことがあっても、貴女は俺にとって、充分過ぎるほど、魅力的だと…
そう…伝えたかった…
「入院中はコンタクトしてられないから…」
「でも俺…眼鏡も…見慣れてていいかな…」
彼女と、ホ○ルに行ったことを、思い出してしまっていた…
初めて…kissした時のことも…
彼女が眼鏡を外して…あまり見えない目を、パチパチしながら、俺を見つめて笑った顔…
きっと…ずっと…忘れられない…
「それじゃ、帰るよ…」
次の日、メールをした。
『どう?調子は?』
『お腹空いた…今日は何も食べてないし、タバコも吸ってない!お腹がきゅるきゅる悲鳴あげてる!空腹過ぎて胃が痛い…』
『腹減るのは元気な証拠カナ?』
次の日は上司、と言っても、俺より年下の若い男だが、彼女の退院の予定や、仕事復帰後、どこまで業務が出来るかなど聞きたいからと、一緒にお見舞いに行くことにした。
ずっと…迷っていた術後の見舞い…
彼女は職場に、順調です、と報告の電話連絡をしてきた。
上司とも、それならもう大丈夫か、という話になったのだ。
念の為、その旨彼女にメールをしておいた。

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