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怒ってふてくされている様な顔。
悲しげに昔を語る顔。
その全てが…
俺の記憶の中に…
そして…
中でも、あの時…
初めて彼女の一糸纏わぬ姿を見た、あの日の…
眼鏡を外し…
結んでいた髪をほどき…
薄暗い部屋の中…
真っ白なシーツの上で…
微かに歯を覗かせた…
彼女のあの微笑み…
俺の脳裏に焼き付いた…
消そうにも、消せない記憶…
………
ガチャリッ、背後でドアが開いた…
そこには…
薄暗く、ハッキリとは見えなかったが、一糸纏わぬ彼女がいた…
「マジか!?」
「だから言ってるじゃない、何とも思わないって…」
「いや!?それ!?何とも思わなさ過ぎ!?」
落ち着こうにも落ち着かなかった。
ごく自然を装おって浴槽に入った。
彼女がシャワーを浴び出す…
見てはいけないような気がしながらも…
やっぱり…
見てしまった…
不覚にも…
…綺…麗…
そう…思って…しまった…
彼女は…
俺に背を向ける様に、浴槽に入って来た…
「どんだけ、何とも思ってくんないんだよ…」
「何でだろ？別に、アナタだからって訳じゃなく、平気なのよね」
「こっちを何とも思わないにしたって、少しは恥じらえよ、遊び人っ」
「あのね」
「ん？」
「私…kiss…深いのは…ダメだ…えっ○は全然平気だし、軽いチューならいいんだけど………、なんていうか、情が入っちゃうっていうか、好きになり過ぎちゃいそうっていうか…」
「え？それって………、俺のこと………、そんなに好きって…こと…？」
思わず、彼女の背後からそっと、寄り添ってしまった…
「好きよ…好きって…言ってるじゃない…」
とても小さな…小さな声で…囁いた…
確かに、お互い結婚しないで知り合ってたらね、なんて話した事はある。