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?…好き…?

第35章 不安?…

悔しかった。
「あ~、そうですかっ!」
小さい声で、俺は気持ちを露にした。
悔しい…?
何で悔しいんだ…?
本当に、どうしたってんだ…
俺は…?
彼女に尋ねたりしないで、唇を奪ってしまえば良かったのだろうか?
いや、そんな事は出来ない…
今の俺には、そんな勇気も根性もない…
何でだ?
彼女に嫌われたくないから?
そんなに怖いか?
怖い…
彼女に嫌われたら…
そんな状態、想像もつかない。
もしも、そんな事になってしまったら…?
嫌だ…
絶対に嫌だ…
何でこんなに恐れてしまうのだろう…?
何でこんなに、考え込んでしまうのだ?
自分の中に現れるクエスチョンマークに、更にクエスチョンマークが付いていく様な、永遠の繰り返し。
終わりのない、メビウスの輪…
こんな事…
初めてかも知れない…
彼女と、肉体的に何もなくなっても仕方がない。
彼女は病気だ。
胸だって、きっとまだ痛むだろう…
でも…
彼女の傍に居たい。
少しでも、彼女の役に立ちたい。
俺は、今もこうして、彼女にハグしてもらっただけで、こんなにも心が安らぐ…
彼女にどれだけ、心を救ってもらっただろう…
……………
俺と、肉体関係を持ちかけた頃、病気が発覚した彼女。
その検診を受けたのも、俺の目の前で。
検診を受けたその日その直後、俺は彼女の身体に、その胸に触れた。
彼女が彼女の夫と、いつどのように夜の営みをしているか知る由もないが、少なくとも彼女の夫以外で、そんな状況になってしまった彼女の傍に居たのは、俺だけの筈。
彼女がその時、何故俺を選んだのかは分からない。
でも、俺は彼女を支えたかった…
……………
この状況になった今、俺は又彼女との事を思い出していた…

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