テキストサイズ

?…好き…?

第35章 不安?…

……………
そういえば…
こんな…事も…
あった…
……………
この頃は丁度、年度が変わる時期だった。
年度の変わる時期、当然ながら様々な変化が起こるものだ。
何処の家庭でも、子供達の学年が変わったり、プライベートも忙しくなる。
俺はと言えば、やはり家庭の方も色々と状況が変わり、仕事上でも通常の業務以外に、たまたま携わってしまった委員会の仕事が、重くのし掛かっていた…
身心共に、疲れきっていた。
正直、何もかもが辛くなっていた。
妻も、子供達も、愛している。
筈…なのに…
家庭に戻る…事…さえも…
唯一の救いが、彼女…だった…
俺は、彼女の隣に居る時…
彼女が、俺の隣に居る時…
その時だけは、何も考えず…
というよりは、本当に何もかも、忘れていられた…
……………
その日、俺は何にも考えたくなくなっていた。
少し、ほんの少しだけでいいから、彼女と過ごせたら…
そう思った。
でも…
突然に、そんな事が出来る筈もない…
昼休み、彼女と一緒だった。
食堂では、他の部署の職員さえも居る。
食事中はろくに話もせず、俺はさっさと食べ終え、例によって喫煙所に行く。
少し後から、彼女も喫煙所に来た。
彼女がお喋りを始める。
俺は、彼女の話を聞き、相槌を打ちながら、ずっと考えていた…
ずっと…
彼女を見つめて…
だが、何も浮かばなかった…
お互い仕事の今日、突然2人の時間(とき)を持つのは不可能…
でも…
少しでも、彼女を近くに感じたい…
しかし、何というか、俺の方から何か仕掛ける度胸も無かったし、俺から何かするのでは、気分的に違う感じだった。
俺が思いつき、かろうじて出来たのは、こんな台詞を言う事だった…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ