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でも…
乗り込む前に、躊躇している俺がいるのも事実だった…
彼女は、休み初めにメールはくれたが、その後何も答えてくれなかった。
俺が心配して送ったメールに…
彼女にとって、俺は…？
何で答えてくれない…？
不安ばかりが募る。
しかし、それを口にすれば、彼女はこう言うだろう。
『男が細かい事気にすんな、アナタ血液型○型でしょっ』
彼女は済んでしまった事や、細かい事を言う事を嫌う。
そういう女（ひと）だ。
でも、結局俺は、彼女の車に乗り込んでしまった。
何故だか、は自分でも説明出来ない。
彼女は又も、いたって普通のお喋りをする。
旦那が大丈夫なのかは、車を降りて、こちらが尋ねるまで答えなかった位だ。
「ありがと、そいじゃね」
「夜勤頑張ってねぇ」
彼女は忘れ物を取りに、俺は更衣室へと…
それから数日が過ぎると、彼女は又も休んだ。
今度は子供達だ…
上の子供が、風邪か何かを貰ってしまい、赤ちゃんにも移ってしまったらしい。
彼女が数日休んだ後の、元々の休日だったその日、俺はいてもたってもいられず、車を走らせていた…
いい加減子供達も、良くなっているんじゃないかと思っていた。
彼女がこんなに休んでは、稼ぎが…
それも思っていた。
真剣に心配になっていた。
だからと言って、妻子持ちの俺に、何が出来るワケでもないのだが…
小遣いの範囲で、彼女の援助など、出来る筈もない。
それでも、煙草の１つでも買ってあげるとか、お喋りや愚痴に付き合うとか、何かしたかった。
子供達が元気になっていれば、会うことも出来るだろう。
この日の俺は、自分が彼女に会いたいからではなく、本当に、何かしてあげられないか、と身体が動いてしまっていた…