無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

家までのほんの僅かな距離を歩くのに、とてつもなく足が重かった。
何なんだ…
本当にいったい俺は…？
彼女は俺の事をどう…？
疑問はいくらでも浮かぶ。
彼女は何故俺に、旦那の悪口ばかり言うのか？
何故初めて職場外で過ごしたその日に、俺をハグしたのか？
彼女の運転する車で、何故ラ○ホへと誘（いざな）ったのか？
何故kissの事、過去に２人を好きになって苦しんだ事を口にしたのか？
何度も彼女を抱けなかった俺を、何故見限らなかったのか？
病気の手術前に、何故自ら深いkissをしてきたのか？
妊娠中、しかも手術をし、傷痕の残る身体で何故俺としたのか？
何故１度ならず２度までも…？
そして、その後の言動もだ。
２度目の時、俺は関係に終わりを感じかけた。
それなのに、以前より回数は減ったものの、何度今日の様に過ごしただろう…？
彼女が産休で休み始めてから、出産前にも会った。
出産直後、昨日産まれたばかりの赤ん坊を、突然抱かされた。
その後には、彼女が治療で病院に行く時にも会った。
産休が終わる間近にも、突然お茶に誘われた。
彼女が仕事に復帰してから、帰りに駐車場でだが、何度かお喋りもした。
そして今日の買い物にお茶…。
いったい何なのだ？
俺達の関係は？
彼女は、俺をどう思っているのだ？
俺を、どうしたいのだ？
俺は、彼女を…
…？？？…
たった１つ…
たった１つだけ…
明確なのは…
俺の脳裏に焼き付いている、彼女の笑顔だ…
彼女が、一糸纏わぬ姿で、かろうじて結べる長さの、結んでいた髪をほどいて…
薄暗がりの中で、歯が白く浮かんだ…
俺に向けたあの笑顔だ…
あの…
微笑みだ…
どんなに消そうとしたとしても…
記憶から消せないだろう…