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?…好き…?

第30章 寄り道…

彼女が電話を終えて、携帯をカバンにしまった。
「どした?大丈夫なのかぃ?」
「うん、大丈夫よ」
「なら、いいんだけどさ」
職員駐車場へと、2人で歩く。
「旦那がね、熱出して、具合悪いんだって」
「へ?んじゃダメじゃんっ、子供達はよ?俺別にバスと電車で帰るよ?」
「子供達はばあちゃんいるから平気」
「いや、でもさ」
「いいのいいの、ザマーミロだわ」
「ザマーミロって…」
「ホントは今日、旦那の好きな食べ物と、お酒買って帰るハズだったんだけど、熱出してたら、食べられないわよねぇ~、お金浮いたぁ~(笑)」
「オイオイッ…」
結局送ってもらう事になった。
嬉しいが、いいのだろうか…
駐車場に着き、彼女の車に乗り込む。
「ほいじゃ、お邪魔しまぁす…」
「相変わらず散らかってるけど気にしないで、踏んずけていいから(笑)」
何ヶ月ぶりだろう…
彼女の車の助手席に座るのは…
妙に緊張するな…
それにしても、彼女の旦那…
ホントに…
いいの…カナ…
考えている間もなく、ドライブは始まった。
ま…
いっかぁ…
例によって、彼女のお喋りを聞く。
それも又、楽しいドライブだ。
運転席に座り、ハンドルを握る、彼女の左の横顔…
ホントに久しぶりだ…
時折、俺は彼女の話も半分に、その横顔を見つめていた様な気がする。
「ねぇ?」
「ん?あぁ…何?」
「ちょっと買い物してもいい?」
「あぁ、いいよ、ダメつっても、運転してんのそっちだし、アンタ次第でしょ~が(笑)」
「久しぶりにこっちの方通るから、寄りたい店あるのよ」
「ど~ぞお寄り下さいっ(笑)」
彼女の車の時計とにらめっこしていた。
少しなら…
少しだけなら…
そう思っていた…

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