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?…好き…?

第30章 寄り道…

分からねぇよ…
……………
又、平凡な毎日が過ぎる。
それでも、時々彼女と2人きりで、喫煙所で過ごす休憩は楽しかった。
たまに、彼女は子供が熱を出したりして、仕事を突発的に休んだりした。
俺は、気が向くと、メールをした。
返信は、ある時も、無い時もある。
分かってる。
彼女はそういう状況だし、そういう女(ひと)だ。
それでも、時々メールをした。
『今日はどっちが具合悪いんだい?毎度大変だねぇ(笑)』
たまには、返信もある。
『今日はどっちも!!も~!!なんで熱が出るの~!!』
『両方かいっ!ホントに大変だぁ』
メールを返す。
お互いの元々の休日も絡んで、週に1、2回しか会わない事もしばしばだ。
俺にとって、彼女の居ない職場は、何の楽しみも無くなっていた。
正直、仕事が苦痛で仕方ない。
それでも、俺は、愛する家族の為に働く。
そう、愛しているのだ。
あっという間に、月日は流れてゆく。
彼女と公園でお喋りをしてから、幾日が過ぎただろう…
ある日、又車を妻が使い、帰りを迎えに来てもらうか、俺は迷っていた。
彼女との休憩中の喫煙所で、何気なくその話になった。
「アナタ、今日先に来てたのに、車無かったわよね?」
「あ~、かみさんが乗って帰った(笑)」
「じゃあ、帰りはお迎え?」
「いや、迷ってる、たまには電車で、寄り道なんかもいっかな、なんて」
「そうなの?じゃ、久しぶりに送ってあげよっか?」
「ホントに!?そりゃ嬉しいね(笑)」
話は簡単にまとまった。
突然の誘いに、俺は浮かれた。
仕事が終わり、着替えを済ませる。
職員通用口で、彼女と落ち合う。
彼女が何やら電話をしていた。
そのまま2人で歩いていく…
「うん、分かった、じゃあねぇ」

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