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?…好き…?

第29章 分からない…

そう…
ダメなら『ダメ』とハッキリ言ってくれ…
えっ○をするのが『ダメ』と言うんじゃなく…
もう、そういう対象でないなら『ない』と…
何度も言うが、出産間もなく、病気の治療をしたばかりの彼女と、えっ○が出来なくても仕方がないと思ってはいる。
触れても嫌がる素振りを見せないのは、今、彼女がえっ○を出来ない状態なだけだから、と、そう思っていいのだろうか…?
それとも、えっ○を出来ないと、胸の治療跡の事を言っているのが、全てを否定していると判断すべきなのか…?
分からない…
……………
それから又、何日も経ったある日、彼女と帰る時間が重なった。
俺が僅かな時間だが、先に駐車場に着き、車に乗り込んでいると
「乗ってもいい?」
と、彼女が言ってきた。
彼女は赤ちゃんを産んでからは、仕事が終わると、一服もせず、サッと帰るようになっていたが、きっと一本くらい吸いたいのだろう。
そう思って言った。
「あぁ、乗れよ」
「やったぁ」
彼女が助手席に座る。
何日ぶりだろう。
「タバコ吸ってもいい?」
「あぁ、そのつもりで乗ったんだろ(笑)」
「やったぁ」
例によって、彼女がとりとめもなく、ペラペラとお喋りをする。
それもほんの僅かな時間、一服したら終わり、俺はそう思っていた…
だが、それは違っていた。
煙草を一本吸い終えた彼女が、細い手首に巻かれた腕時計を見る。
「今日は少しのんびりしてやろぅ」
意地悪な口調で彼女が言う。
「ん…?何だよ?大丈夫なのかぃ?」
訊けば、赤ちゃんが少し熱があるまま、彼女は仕事に来たらしい。
その赤ちゃんを、休みの旦那が面倒看てる、と言う事だ。
「○○ちゃん、心配じゃないのかぃ?」

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