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?…好き…?

第29章 分からない…

怒っていると、思われていたなんて…
帰る前に顔を合わせようと、彼女が先に行ってしまっていると思って、慌ててただけなのに…
どうしていいのか分からなくなって、舌が廻らなかった。
もう一度、言い直した。
「何で俺が、アンタに怒るんだよ…」
グイ、と、彼女をもっと引き寄せた。
彼女は、吸い殻を灰皿に捨てた。
すると、彼女はニコリと、とても小さく笑って、まるで『おしくらまんじゅう』を逆に向いてしているかの様に、ギュッギュッ、と俺に抱きついた。
俺は、正直ドキリとした。
彼女が、こんな風に返してくるとは、思ってもみなかった。
俺が、正面から抱きついたりしたワケではない。
横から、くっついただけなのだ。
なのに、彼女が、抱きついてきた。
「デッカイ身体」
彼女は、笑いながらそう言った。
彼女の身体が密着している…
彼女の…
柔らかな感触…
彼女の…
胸が…
柔らかい胸が…
その時はどういう訳か…
やたらと…
胸の感触が…
胸がっ…!
当たってるっ…!
寝ぼけた夜勤明けの筈の俺を、目覚めさせたほどだった。
堪らなくなった。
俺の身体の一部分だけに、集中して血液がなだれ込みはじめた。
興奮してきていた。
俺っ…!?
こんなトコでっ…!?
ちょっと抱きつかれただけなのにっ…!?
勃○するっ…!?
と思った矢先
「ダメだっ、クサイよっ、クサイよっ」
???…
萎えかけた…
俺かっ…!?
そっか…
俺っ…!
夜勤明けだしっ…!
と、思ったところで
「あっ!違うのっ、アタシがよっ、アタシがねっ!」
???…
え…?
クサくなんか…?
「赤ちゃんっ、忙しくてっ、シャワーも浴びてなくってっ…」
それで…?
そんなこと気にして…
クサくなんかないのに…

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