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だが…
ルームミラーを覗いても、振り向いて駐車場の入り口まで眺めても、彼女の姿は見えなかった…
ひょっとしたら…
俺と顔を合わせたくないのでは…？
やっぱりもう…？
先日の、『胸がまだら』その話は、俺とそういう関係にはならない、それに理由を付けたかったのかも…
そんな風にさえ、思えた…
あぁっ…
くそうっ…
何してんだ俺はっ…？
俺は怒るように車をスタートさせた。
すると、数台隣の車と車との隙間に、彼女は立っていた…
一先ず軽く手を上げてはみたが…
俺は、そのまま車を走らせた。
ちくしょうっ…
なんなんだよぅっ…
駐車場で顔を合わせて、『お疲れ様です』を言い合うことも、出来ないってのかよっ…？
くそっ…
くそっ…
嫌がられたりはしてない…
そう思っていたのにっ…
馬鹿だっ…
俺はっ…
……………
涙が…
出る寸前だった…
なんでだ…
俺…
なんで…
こんな事で…
こんなに…
取り乱してんだ…
あぁーっ…
もうっ…
自分が分からない…
本当に何がなんだか分からなかった。
気付いた時には、何かにとり憑かれた様に、彼女にメールを打っていた。
暫くメールなどしていなかったのに。
最近の彼女は、仕事をしながらにして、家事に育児に追われている。
メールしたところで、いつ読んでくれるかも分からない。
それなのに、だ。
『一緒にならない時は、ならないもんだね、今日は昼間も、休憩も違ったし、全然煙草も一緒にならなかったし、帰りまでズレちゃったね、車も追いついて来なかったし』
そう、すぐ後に彼女の車が出発したのが分かった。
にもかかわらず、信号待ちなどで、彼女の車と、すぐに離れてしまったのだった…
彼女が意図的に…？
とさえ思った。