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?…好き…?

第27章 復帰…

……………
何故か、ほんの一服している間に、色んな事を思い出していた。
『それって………、そんなに俺のこと………、好きって…こと…?』
『好きよ…好きって言ってるじゃない…』
初めてあの場所へ行って…
とても…
小さな声で…
彼女がそう言った…
あの時の事…
『ごめ~んネ』
そう言って、俺をハグして
『すりすり』
そう言って…
俺の頬に、自分の頬を寄せてきた事…
『手握ったって、何とも思わない、って平気な顔してたじゃんか』
『それは、ただの強がり、って言うか…』
そんな会話…
そう、何故か…
彼女が、俺にしてくれた嬉しい言動の数々が、ほんの一服している間に、思い出された…
でも…
どうしてだろう…
最後に思い出されたのは…
『アタシって…冷たいから…』
あの言葉だった…
今…
彼女は…
俺の目の前に居る…
………
午後の小休憩だ。
もう仕事に戻らねばならない。
彼女が立ち上がる。
『アタシって…冷たいから…』
俺の心の中の何かを、ひっくり返したい様な気持ちになっていたと思う。
俺は、一瞬彼女の顔を見つめただけで、いきなり抱きついてしまった。
彼女が復帰した日に抱き締めた時…
彼女は
「ただいまぁ」
と言っただけだった。
さあ、今日はどう出る…?
気まぐれな女(ひと)…
「わ、大木だぁ」
まるで少年の様な口調で、彼女はそう言いながら、笑って抱き返してきた。
ホントに気まぐれな女(ひと)だよ…
彼女は、俺の胸に抱かれながら、少し右を向いている…
俺は、顔を左に傾け、彼女の顔を覗き込んだ…
『アタシって…冷たいから…』
嫌な言葉が浮かぶ…
戸惑った…
『これでも、照れてんのよぉ』
昼休みの言葉が甦る…
俺の中で…
何かが、確信へと…
やっぱりっ…!
止められないっ…!!

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