テキストサイズ

?…好き…?

第27章 復帰…

あまりに彼女が、極普通に、俺と接する事が、それが意味するものが何なのか?
やっぱり彼女はもう、俺の事など特別扱いはしていないのではないか?
と何故か『不安』の様な気持ちになったり…
どうしてそんなに、俺は彼女が気になってしまうのか?
と『悩み』の様な気持ちが膨らみもしていたのだ…
そんなある日の事…
彼女が復帰してから、2週間程だっただろうか…
久しぶりに、彼女と一緒に勤務をした。
その日は、昼の休憩時間も一緒になった。
他に喫煙者もなく、喫煙所には2人きりだ…
彼女が、こんな話をし始めた。
「昨日って言うか、今日って言うか、携帯で少女マンガ読んでたら、止まらなくなっちゃってぇ~、3時まで起きて読んじゃってたのぉ~、だから眠くてしょうがないのぉ(笑)」
「相変わらず、上のチビちゃん朝飯喰うのも遅いんだろ?保育園送らなきゃだし、朝早いんじゃないのかよ、何やってんだか(笑)」
「そうそう(笑)ヤバイ早く寝なきゃぁ~、って(笑)」
「んなもん、眠い言われても、自業自得じゃん、知らねぇよ(笑)」
「だって面白くてぇ~、恋愛とか、うんうん、分かる分かるぅ~って、アタシも若い時はこんなだったなぁ~、って(笑)」
「今じゃ、『すれてる』通り過ぎて、『すり切れてる』ってのにな(笑)」
「そうそう(笑)いつからアタシ、こんなにすれちゃったのかしら?(笑)いつの間にか若い頃の気持ち、忘れちゃったなぁ」
いつか、彼女は俺が隣に座っただけで、『嬉しかった』と言った。
ほんの少し触れてしまっただけで、『嬉しかった』と言った。
「ばっか、すり切れてるなんて冗談だよ…、忘れちゃダメだよ…、若い頃の気持ち…」
俺は、彼女の手を握った…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ