テキストサイズ

?…好き…?

第26章 …kiss…

「な~んだ…まだ出たばっかりかぁ…」
「そうだけど?だから何よ?」
「ん~…お茶でもしたいな~…って…」
「…って、子供は?」
「ばあちゃんいるぅ」
「何時まで平気なのサ」
「まぁ、○時くらいまでは」
「じゃあ、そっちの方に行けばいいのか…?」
「うん、来てくれるの?」
「あぁ、行くよ」
こちらからの誘いではない。
100%彼女からの誘いだ。
行かないワケがない。
○○駅のファミレスに約束した。
彼女は、少々家事を片付けてから来るそうだ。
電話が鳴る。
「もう着いたわよぉ」
「おう、こっちもあと5分だ」
ファミレスに入る。
「珍しいじゃんか、会いたそうにするなんて」
「だってぇ、毎日毎日、保育園送って、病院行って、また迎え行って…、おんなじ事の繰り返しで…、日にちも曜日も分からなくなるくらいで…、つまらないんだもん…」
「そいで?俺呼びつけて暇つぶし、と?(笑)」
「そうそう(笑)ダメ?」
「いいよ(笑)しかし、よく保育園入れたな」
「役所でほとんど泣き落とし(笑)治療費も払えないんですぅ、って」
「アハハ…、まぁ、ホントの事だけども(笑)」
お茶をして、楽しく会話して過ごした。
店を出た。
俺の車で一服する。
日が短くなってきていた。
外は暗くなっていた…
「ホント毎日同じ繰り返しで、最近物忘れ酷くて(笑)呆けたかと思っちゃう(笑)」
帰ろうか、と店を出たのに、俺の車に乗り込んだ彼女…
「こういう事は忘れていいよ…」
彼女の手を握り締めた…
「フフ…」
もう…
ガマン出来なかった…
助手席で、煙草を消した彼女に、手を握ったまま、正面から近付いた…
休みの彼女は、眼鏡を掛けている…
でも…
止められなかった…
嫌なら『嫌』と言えばいい、言ってくれ…
彼女は言わなかった…
唇を重ねた…
ほんの…一瞬…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ