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?…好き…?

第25章 治療…

どうして…?
こんなにも…
彼女の事になると…
俺は…
俺は…?
車に乗り込み、エンジンをスタートする。
もう…
本当に…
もう…
これで…
終わり…
彼女は、赤ちゃんを直ぐにでも、保育園に預けて、職場復帰を望んでいる。
自分の治療、これまでも、これからも含め、金銭的に厳しいらしい。
特定疾患の為に、生命保険にすら、入ることも出来ないのだ。
それなのに、彼女は、別の病気を患ってしまったのだ。
厳しいのも無理はない。
だが、新生児が春の新入園の時期でもなく、そう簡単に入れるワケがない。
俺は、そう思っている。
彼女は、職場に復帰しなければ、赤ちゃんのいる母親でしかない。
そう易々と、会うことも出来ないだろう。
と、云うより、忙しくて、俺になど目もくれないだろう…
もう…
終わり…
これで…
終わり…
そう思う…
もう…
彼女の事は…
忘れなければ…
車を走らせている俺の頬に、一粒の滴が流れた…
俺…
泣いてる…?
何で…
どうして…
大切な女(ひと)が、病気を乗り越えて…
無事に赤ちゃんを産んで…
本当に…
心から…
良かったと思っている…
なのに…
どうして…
涙が出るの…
彼女の大切な身体が…
大切な胸が…
無くならずに済んで…
彼女の大切な『宝物』も…
大切な赤ちゃんも…
無事に産まれて…
喜ばしいことじゃないか…
彼女の幸せ…
女として…
母として…
母乳はあげられないけれど…
待望の2人目の子供…
良いことじゃないか…
なのに…
どうして…
涙が出るの…
彼女とのことは…
『えっち』は…
遊び…
ただの…
遊びじゃないか…
ただの…
浮気じゃないか…
ただの…
ただの…

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