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?…好き…?

第24章 産後…

彼女と…
男女として…
何も…
あるワケないのに…
あんなに幸せそうな…
母の顔になっていたのだから…
赤ちゃんが産まれたのだから…
彼女達夫婦だって…
きっと…
もう…
俺は…
……………
それでも、俺は会いたかった。
彼女のところに、行きたかった。
翌日、仕事を終え、彼女の入院する病院へ向かう。
途中、コンビニに立ち寄った。
彼女の煙草を買う為だ。
彼女が産休に入る直前のあの日、待ち合わせをしたコンビニ、そして彼女に
『アタシって…冷たいから…』
あの台詞を言われたコンビニと、同じチェーンのコンビニ…
彼女の居る病院に辿り着く直前で、一番寄りやすいコンビニだ。
逸る気持ちもあるが、今慌てて行くと、おそらく、夕食時。
ひとまず灰皿のある所で、一服する。
アイス…
あの日、2人がそれぞれ2本食べたアイスクリームが、頭をよぎった。
ハマった、って言ってたな…
一本吸い終えて、店内に入る。
アイスの売場を見ると、同じアイスが目に入った。
アイスを手に取り、レジへ行く。
「あと、○○番の煙草ください」
彼女の吸っている煙草の番号を、カウンターの向こう側にある棚から見つけて言う。
買い物を終えて、車に乗り込む。
さぁ、改めて出発だ。
彼女のところへ…
病院に入り、受付を済ませて、エレベーターに乗る。
産婦人科の棟に到着だ。
今日もやはり、薄い入院着の女性達が目につく。
気まずいと云うか、照れ臭いと云うか…
食事を運ぶ車が置いてある。
夕食が片付き始めている様だ。
彼女のベッドに着いた。
夕食を済ませたところなのだろう、前回とは違い、カーテンが僅かに開き、彼女の姿が見えた。
「夕飯済んだかい?」
いきなり話しかけた。
「うん」
ここに俺が居るのが当たり前の様に、彼女は答えた。

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