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?…好き…?

第22章 出産…

留守録にも何もない。
何!?
あっ!
出産っ!?
いや、でも入院っ…
準備とかっ…
忙しいのにっ…
俺に電話ってっ…
何だっ!?
急いで更衣室へ向かう。
ユニフォーム、クリーニングに…
いいやっ!
とっとと着替えを済ませ、駐車場へと急いだ。
もうっ、駐車場、遠っ!
焦っていると、そんなものだ。
車に乗り込みスタートする。
急いだ事なのか、彼女からの着信のせいなのか、今からその着信に応えるべく、心臓をバクバクさせながら、電話帳から彼女の名前を探す。
画面をタッチして、車を走らせる…
あの、メロディ…
………
彼女は出なかった。
俺の身体が、一気に冷めた気がした。
何してんだ…
俺は…?
彼女から電話をもらい…
まだ浮かれるってのか…
…と…
思っている矢先…
!?
彼女!?
ハンドルのボタンで、電話を受ける。
「もしもぉしぃ」
幼い声…
おっとりした…
幼い声…
「どしたん?」
俺は何故か、極めて平静を装っていた。
「やっぱり一週間早まるんかい?」
「うん、入院したよ」
「え?するよ、じゃなくて、したよ?」
「うん、前の検診の時にね、次の検診は念のため入院の準備して下さい、って言われてたんだけど、今日本当に入院になったの」
「そうなんだ」
やっぱりもう…
あのお腹を触ることは無いのか…
「で?いつ?」
「明日よ」
「早っ、ってそんなもんか」
「うん、計画分娩だしね、ねぇ、産まれたらすぐ職場に言った方がいいのかな?麻酔するから、すぐは出来ないのよね」
「そんなん俺に訊くなよ(笑)自分で決めろって(笑)」
「え~、だって職場で連絡先知ってるのアナタだけだし…」
「ウソこけ、○○さんとか電話したりしてんじゃねぇの?」

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