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?…好き…?

第21章 出産間近…

車内でチビとそんな会話をする。
去年会った時より、随分会話が成立するようになった気がする。
他人の子供の成長は早く感じる…
店の駐車場に入る。
数台遅れて彼女の車も到着した。
店に入った。
チビは俺が連れ歩く。
というよりは、チビに連れ回されてると言うべきか。
せっかく彼女と会ったというのに、あっという間に事が進む。
一通り店を回り、彼女が少しだけ買い物をした。
会ったのはついさっきだが、帰らねばならないのは変わらない。
もうバイバイするのが見えている様な感じで、テンションが上がらないままに時が経つ…
車に戻り一服する。
「俺が煙草吸うから、そっちも増えてるんじゃないか?」
「ううん、大丈夫、でも、旦那はどうしようもないし、吸わずにはいられないわよ」
そういや最近聞いた話じゃ、彼女の車蹴飛ばして凹ませた、とか言ってたっけ…
「そっか、ま、増えてなきゃいいけどさ」
「うん、アナタと一緒に話ながら吸えるのが、いいわ」
もう…所謂臨月か…
彼女は上背があるからかあまり感じないが、相当お腹が膨らんだ…
「さて、帰らなきゃね」
そう言って彼女は車に乗り、運転席の窓を開けた。
後ろのチビに見えない様に、そっとお腹を撫で、彼女の手を握った…
チビが居なかったら…
一瞬そう思った。
「おじちゃんにちゅーしないの?(笑)」
彼女が突然言う。
「おじちゃんっ」
「ん?」
チビが呼ぶので、後部座席に首を突っ込むと、チビがちゅっとしてきた。
そういう年頃なのだろう、と軽く受け止めた。
「あ…した…お父さんにしないのに」
彼女が言った。
「そうなんだ」
妙な気分だ…
「え?ドライブしたいの?」
何も言っていないのに、彼女が言った。
彼女からの誘いだ…
俺の心は…
揺れた…

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