無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

それから１０日ほど経った頃だったろうか、彼女が休み前に、来ていたであろうユニフォームがクリーニングから戻り、置き去りになっていた…
何故だろう？
その時、話したい、とか、会いたい、とか、深く考えずに、まるで手が勝手に動いたみたいに、彼女にメールをしてしまった…
『ユニフォームが、ポツン、と置き去りになってます』
と…
その晩、俺の携帯が震える。
ん…？
着信中…？
誰だ…？
!?
彼女から!?
俺は、自分が家に居ることなど構わず、電話を取った。
「もしもぉしぃ」
彼女の…
声だ…
当前だけど…
半月…
たった半月…
なのに…
驚きと…
嬉しさと…
色んな気持ちが溢れ出て…
熱いものが込み上げて…
「もっ…もしもし!?どしたの!?」
「もお～、毎日忙しいわよっ、イヤんなっちゃうっ」
何？
愚痴？
会う気はない…
って宣言？
ハイハイ…
そうでしょうよ…
目から…
一粒…
滴が落ちた…
「何がそんなに忙しいのさ？」
俺は、自分の状況を悟られまい、と普通に話した…
「休んでたら休んでたで、家事に追われるし、赤ちゃん産まれたら、人が来ても良いように、ちゃんと片付けて掃除しなきゃいけないし…」
「そっか、そうだよね～、そりゃ大変だぁ」
きっと…
赤ちゃん産まれても…
俺は会えないんだろうな…
「ユニフォームねぇ…、どうしようかしらねぇ」
「…ん…？」
「アナタ明後日仕事は？」
「休みだけど…？」
「明後日赤ちゃんの検診なのよね」
「はぁ…？」
「ん～、職場にアイスでも持って、顔出しときたい気もするけど…」
「あ～、いいんじゃないの～」
ふぅ…
俺が居ない時に、行くのね…
まぁ…
好きにして下さい…
「よし、決めたっ、アナタ明後日休みなんでしょ？アタシのユニフォーム預かってて」
「ん…!?」