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?…好き…?

第20章 出産前…

彼女は、メールに関しては広告などのメールを含め、1日に何十件もくるから、と自分の知人友人からのメールを確認しきれない、と言うが、電話に関しては、割りと気付くらしかった。
逆にその日の俺は、確かに音は出さずマナーモードのままではあったし、携帯に触れることすらしていなかったワケだが、全く気付いていなかった。
携帯を操作し、慌てて確認をする。
彼女の携帯からだ…!?
時間を見ると、結構前ではないか。
しかも珍しく留守録に入っている!?
俺は携帯を操作して、留守録を確認した。
『ほらっ○○ちゃん、ちゃんと喋って』
離れた感じで、彼女の声が聞こえる。
『出た?電話しましたか?って言って…』
『おじちゃんでんわしましたかぁ~?』
チビちゃんの声だ…
何故だか、ちょっと嬉しくなった…
と、同時に、もしかしたら、彼女は直接俺と話したくないんじゃないか…?
そう思って不安になっていた…
多分俺は、急いでいたと思う。
今更だが、俺は彼女からの電話の履歴は消している。
おそらくこう言うと、浮気の証拠隠滅、そう思われるだろうが、そうではない。
頻繁に掛ける妻や家の電話の履歴以外は邪魔なのだ。
俺は、電話を掛ける携帯の操作として、履歴から掛ける方法を一番使うからだ。
彼女とそういうことになってしまった今でも、これは断言する。
俺は、妻を、家族を、想い、気にかけている。
だから俺は、妻の携帯や、家の電話に頻繁に掛ける(それでも妻には、少なく感じるかもしれないが、俺にとっては)。
だから他の履歴は邪魔なのだ。
強いて言えば、職場や職場の上司の履歴などは、そこそこ使うので残してはいるが。
携帯を操作し、アドレス帳を開き、彼女に電話をしようとする。

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