無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「いや、ホントにそうだよね、だけど、家になくなっててさ」
彼女は、多分子供の保育園に迎えに行く筈。
なのに、DVDを見ながら、話しかけてくる。
「ほら、見て見て、この歌の時はさ、○○○君凄いキレイでカッコイイでしょお～、でもね、どれだったけ…？」
更にDVDを操作し、また別の映像を見せようとする。
「あっ、コレだ、○○○君男らしい格好だと、もうおじさんだよね～、うん、やっぱり○○○君は女の子っぽいっていうかさ、チャラチャラしてるくらいのが、キレイでカッコイイよね！ね、そう思うでしょ？」
楽しい○○駅ドライブ、って…
マジで思ってた…？
彼女は、時折、腕時計を見ている。
少しかもしれないけど…
俺と一緒に居ること…？
だから…
時間を気にしているのに…
こうやって…
お喋りを…？
「確かに、キレイって感じの、顔してるよね、カッコイイ男らしい、って感じじゃないのかも、だからスーツ姿とか、イマイチなのかもね」
ちくしょう…
もっと…
一緒に居たい…
俺…
こんな時に…
なんで風邪なんか…
それに…
妻も…
………
妻も…
やっぱり…
帰らなくちゃ…
風邪を引いた様なのも…
妻のことも…
バチが当たったのかもしれない…
こんなことをして…
彼女を…
こんな風に…
想って…
いるからかもしれない…
こんな風に…？
俺、彼女をどう思ってるんだ…？
やっぱり…
どうかしてる…
俺…
ずっと…
彼女のことばっかり…
ずっと…
彼女のこと考えて…
帰らなきゃ…