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第3章 一年前





「宮本!
何故ここに?」



「廊下を見回りしてましたら、窓の外から百合子様が庭を歩いているのが見えまして、いくら庭とはいえ公園程の広さがあるので、この寒さと体で迷われたらと思うと、気が気ではないのですよ。心配で追いかけてしまいました。」




深刻な顔をして私の手を力強く引いては車椅子に乗せて家まで帰った。




血相を変える程のことかしら。


何をそんなに隠しているの?




広い庭はこの家の人間のように何もかも隠すように静かに霧が立ち込んていた。


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