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第3章 一年前




「百合子様!
大丈夫ですか?」



ハァ、ハァと息を切らしながら民江が走って来た。



「ごめんなさい、
膝を少し擦りむいたけど問題ないわ。」



かすり傷で済んだ。


「もう駄目ですよ、寒いですし、お手当てもしますから戻りましょう。」



腕を掴み、何故か強引に私を家へ戻そうとする。



そんな態度が益々不信感を煽る。




「あの門を見てから帰るわ!」



イラっとして強い口調で言ってしまった。



民江の表情がほんの少し怖く感じた。


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