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暗い少女は明るい少女?

第55章 純の話

柊一をホールに連れてきた純は言う。
 
「今日さ、軽音のコンサートでキーボードの奴が急用でこれなくてさ…」

「つまり僕に白羽の矢が立ったてか?」

「うん♪」

柊一は目を丸くしたあと、後退りしながらブンブン顔を横に振る。

「ムリムリムリ!言ったろ!僕はバイエルだって!いや、ピアノがどんなに上手な人でもぶっつけ本番は…」

柊一は呆れた。
純は全く楽器について分かっていない。
人の本質や心情の変化には敏感なのに、このことに関しては無頓着である。

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