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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「いわゆる、精神疾患。心の病気です。」

僕は驚いた。
自分の弟が心の病気?
信じられなかった。
何かの悪い冗談だと思った。

俯き加減に診察室から出ると希一がロビーの椅子に座っていた。
僕が医師と話している間に戻ったらしい。

“兄さん”と言おうとして口をパクパクしている。

「お医者さんから話は聞いた?」

希一はコクンと頷く。

「そっか…」

希一はメモにボールペンで書いた。

“そんな悲しそうな顔しないでよ、兄さん。”

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