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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「希一、」

「起きてるよ。」

希一が寝返りを打つように僕の方を向く。
パッチリした灰色がかった薄い目が僕に向く。

「携帯…鳴ってたけど?」

希一は少し物憂げな表情をして言う。

「…出たくないんだ。」

僕はきょとんとした。
僕は弟の携帯の着信してきた人物を確かめようとした瞬間、希一に携帯を掠め取られる。
希一は携帯の電源ボタンを強く押し、オフにする。

「兄さん、首突っ込まないでくれる?」

希一の言葉にはどこか闇があるように感じた。

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