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暗い少女は明るい少女?

第48章 大学の友人、相沢さんの秘密

思い出した。
服のタグを外し忘れてたまに出掛けてしまう僕のために希一がジーパンに小さいソーイングセットのハサミを入れて置いてくれたらしい。

「サンキュー、希一。」

口に出さず呟くとハサミを掴み、切る作業を早速始めた。
しかし手首の縄を切るのは思った以上に難しい作業だった。
結局、切ることは出来なかったが切れ込みを入れることは出来た。
僕は力を入れて思うようにならない手を動かした。 

ブチッ

布が裂けるような音をたて縄が切れた。

「痛っ~。」

手首には縄の痕がついていた。

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