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暗い少女は明るい少女?

第39章 雪色旅行

灰音は一つの絵の前に立って食い入るように見つめていた。
よほどのその絵が気になるのだろうか?
灰音が見ていた絵はジャン=バティスト・グルーズの「割れた水瓶」と言う絵であった。
僕はその絵の人物の少女の顔を見て思わずゾッとした。
なんだか善も悪もすべて正当化してしまうような感じがした。

「灰音、行こう?」

僕は促した。
灰音は動かない。

「灰音?」

「あっ!ゴメン、なに?」

「行こう。」

「ええ。」

そう言い、灰音と僕は次の絵を見ていった。

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