
許嫁から始まる恋
第5章 EPISODE #5
「話はおおよそ聞いているよね?」
「まぁ…。」
おおよそといっても、俺の両親と
小春の両親が旅行に行くとしか
聞いていない。
まぁ、その事で話があるんだろう。
「旅行に行っている間、家と
小春達を頼みたいんだ。」
「小春達、をですか?」
「そうだ。大人がいない以上、
余計に心配なんだ。
だから許嫁である、遙君に
頼みたいんだ。」
そうだ。小春達はまだ学生であった。
それに、冬馬は今年受験で忙しいもんな。
小春は進路決まってんのかな?
「俺は構いません。
小春達が決める事だと思いますよ?」
小春の父親は俺の台詞にフッと笑う。
「そうだったな」
