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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

 隅々まで拭かれてしまった
 本当に隅々まで
 清潔な体とは裏腹に打ちひしがれる

 暴れてみても敵わない
 体を抱かれてひっくり返され
 丁寧に布が行き来しただけだった



「さっぱりしただろう」
「………はい…」
「まだ不服なのか
おまんこ見ただけだろう
今更ではないか」



 恨めしい目つきで睨む

 ぷいっとそっぽを向いた

 薄い白地の身着はもう着た
 布団の中に潜り込む

 不思議と体がだるくなかった



「…双葉」
「早くお仕事に戻られては?」



 言ってから後悔した
 言いたいことと全然違う



「そうするとしよう」



 そう言われて胸が痛んだ

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