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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

 執務室で黙考して睨む
 立ち入りがたい雰囲気が漂う
 今のこの場にいるのは屋敷の主とその右腕なる宮部だけだった



「九条院グループのご子息か…」



 主人はなんともなしに言う
 年は45、和装に羽織り



「大手柄ですね
まさか一番年若い彼女が
見初められるとは予想外でしたが」
「うむ…」
「何か問題が?」



 口をつぐむ



「愛人とはいえあの様子なら
十分な橋渡し役となるでしょう
九条院グループとの提携は
兼ねてよりの切願ではありませんか」
「わかっている」



 それきり、主人は黙った

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