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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

「双葉!」
「…裕也様」



 それに比べて…
 次兄、裕也様はお優しい方だ

 笑顔が明るく素敵で
 少しどぎまぎしてしまう

 時折こうして使用人なんかの私を気にかけてくださる

 体だけの繋がりではない
 心の触れ合いが温かい…

 社交辞令とわかってても照れる



「いいや双葉は綺麗だよ」
「そんな…私など…」
「父上が気に入るのもわかる」



 えっ?
 おじ様が?

 一瞬耳を疑ったが
 何かの間違いだと割り切る

 おじ様は私をなんとも思ってない
 そう、あるはずがない…



「双葉?聞いてる?」
「えっ、あっ!」



 聞いていなかった

 今度は耳元で言われる



「…しよ?」



 甘くて低い声にぞくっとする



「は、はい…///」

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