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 巡 愛 

第3章 もう一度……


 妻の環奈に寂しい思いをさせたのは、間違いなく夫である私であり、そんな「カンナさん」の胸の隙間に入りこんでしまったのは、きっと「未明」である私だ。

 非があるとすれば、それは疑いもなく私の方だろう。

 私は妻の寂しさに気付いてやることもできないばかりか、形だけで愛などない夫婦関係だとブログに愚痴をこぼし、あろうことかそれを妻本人に知られてしまったのだから。

 妻である「カンナさん」は今日まで1度たりとも、夫に対する不満をこぼしたりなどしなかったのに……

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