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 巡 愛 

第3章 もう一度……


 私はすぐさまここでダイレクトメッセージを送り、その着信で「カンナさん」が妻であることを確認しようかとも思ったが、一体なんとメッセージを書いてよいのかわからず、そのまま静かに寝室の扉を閉めて書斎へもどるよりほかなかなった。


 ひとりになり改めて「カンナさん」からのダイレクトメッセージを読み返すと、その言葉のひとつひとつが胸に刺さるようで、今度は私の涙が止まらなくなってしまった。

 出会った日に一目惚れのように恋に落ちてから、間違いなく自分は夫を愛してきて、そんな自分を夫はきっと信じていたはずなのに、昨夜、夫に抱かれている間、自分は「未明さん」のことが頭から離れず、どうしようもなく不埒な妻であったと歎いていたのだ。

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