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君のため。

第94章 ~愚かな相談相手~

彼の部屋での最初で最後の夜が明けてからのメール。

「ただの性欲の処理だった。
やっぱり彼女を愛している」

なんていう私への仕打ちのメールの最後は

「でも女心とかわからないので相談はしたいけど、都合よすぎるかな。サヨナラ」

と締めくくられてあった。


…デリカシーがないのにも程がある。
このメールを見て私はなんで腹が立たなかったんだろう?
何で私はこんな酷い人を嫌いになれないんだろう?


混乱していたのかもしれない。
そして私は相談にのる。


尋ねられるままに自分の考えを述べ、彼女さんの病気について詳しく調べた。


そんなやりとりの中で、
私と別れる前から彼女さんと、もうそういう仲になっていたことを知る。

…そっか。

なんとか受け流す。
私は相談にのっているんだから自分のことで引っかかってる場合ではない。

…そっか。だから最後の日、あんなにあっさりと。


アドバイス。
私なりにすごく頑張ってメールを送った。厳しい意見も。

でも彼が私のメールで本当に求めたこと。

それは最後に彼自身が認めるが

「彼女さんはあなたの事をちゃんと愛しているから大丈夫」

そう言って欲しかっただけと。


…不毛なやりとり。

何だったんだろう?私。
呆れ過ぎて、わからなくなって、

そして冷静と情熱の間の、
現実逃避のメールに繋がる。

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