
笑顔の空。
第3章 恐怖 ‐きょうふ‐
誰…?
「あの、何かようですか…?」
「お、美歌。ほんっと心配させんなよ…」
そうだ、時雨様とかいって騒がれてた人…。
なんでここに…。
てか、今呼び捨てされた?!
「あっれー…。もしかして僕のこと覚えてないとか、そんな感じかな?」
「…はい、すみません…」
なぜか、はぁーとため息をつかれた。
「僕は、絡司 時雨(ラクジシグレ)っていうんだ。」
「あ、私は…「知ってる。篠崎美歌。…でしょ?」
「あ、はい…」
なんで知ってるんだ…?
「あの…私,あなたの知り合い、ですか…?」
そう言った瞬間、また頭痛が走る。
「ったー…」
その時、絡司時雨が顔をしかめ、切なげに笑ったのを、美歌は知らなかった。
