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身代わりH

第18章 *自分で?

ボタンを留める手を離し、耳を塞ごうとした時。




…え…?



足音…近づいてる?



-ぎゅっっ…。



「-…!!…-」




後ろから伸びて来た腕に、突然抱きしめられた。





その温もりは確かに大好きなお兄ちゃんのもので…あたしは硬直した。





…ドクン、ドクン…




「-…っっ…」





きつい抱擁の中で、お兄ちゃんの苦しそうな吐息が聞こえた気がした。





胸の奥がきゅっと切なくなり、





「…お兄…ちゃん…?」





そう呼び掛けると、スッとお兄ちゃんの体が離れた。

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