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変人を好きになりました

第25章 日時を定めて

「え、ごめんなさ……きゃっ」
 不穏な雰囲気に謝ろうとすると柊一さんが急に私の胸に噛みついた。甘噛みのように左右の胸を噛んでいく。
 触れる程度だったり、歯型をつけるくらい乱暴に噛みついたりとされる度に私の口からは悲鳴があがる。

「いたっ、……やあ、しゅ、いちさん。……ごめんな、さい……いたっ」
「古都さんが犬と言ったんだろ。あ、痕がついた……。でもすぐに消える。皮膚下の毛細血管を少しつぶしただけだ。心配ない」

 そんな言い方されるともっと痛くなってしまう。
 いつの間にか自由になっていた腕で柊一さんの程よい厚さの肩を押し返すがびくともしない。

「んっ、きゃあああ」
 胸に痺れるくらいの衝撃が走って身体がのけぞる。びりびりと電流が身体を走り抜けた。
「すごい反応」
「な、に……今の」
「ここだ」

 柊一さんが上目遣いに私を見て、胸が見えるように距離をとった。ちょうど胸の真ん中の部分が見える。
 自分でまじまじと見たこともなくて、恥ずかしくなって目を逸らそうとしたら顎を掴まれた。

「見るんだ」
 そういって柊一さんがその真ん中をぺろりと舐めてから歯で挟んだ。ピンク色の突起が柊一さんの白いぴっちりと揃った歯でつぶされるのが見えた。
「ああっ」
 自分でびっくりするくらいの声が出る。
「古都さんは犬にかまれてそんな声を出すのか」
 柊一さんがやけに真面目な表情でうんうんと頷いている。メモをとりそうなくらいな雰囲気だ。

「違います! さっきのは忘れて」
「それは聞けないな」

 柊一さんは胸をゆっくりと優しく撫でながら私の表情を見つめている。さっき与えられた強い刺激のせいで触れられただけで身体が跳ねてしまうようになった。
 治らなかったらどうしよう……。

「しゅうい……ちさんっ」
「……っ」
 負けてられないと思って柊一さんの顔を上げさせて唇を重ねる。
 柊一さんは驚いたように動きをとめた。こちらの思い通りだ、と思ったのは一瞬ですぐに柊一さんのペースにもっていかれる。

 唇を離そうとすると頭を押さえつけられてそれが叶わなくなった。
 しかもこんどは柊一さんの手が下に下りて行ってバスローブを私から取り去ってしまった。
「あっ、柊一さ……んんっ」
 非難の声を挙げようとしてもその口をふさがれてしまう。

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