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変人を好きになりました

第25章 日時を定めて

「柊一さん、好き」
 続けて言うと柊一さんは急に荒々しく私の体を抱きしめて何度もキスをする。

 手がバスローブに添えられてあっという間に胸が露わになっていた。
 あ、下着をつけるの忘れてたとその時に気が付いた。柊一さんの喉仏が大きく動いて、唾を呑み込んだのが分かった。
「や、恥ずかしいです……」
 あまりにまじまじと私の体を見るから耐えられなくなった。
 胸を隠そうと腕を出すとそれを止めるように柊一さんの手で両手首を拘束されてしまった。

 恥ずかしい……。
「古都さん、すごく……」
 言い終わらないうちに柊一さんの顔が胸に埋められた。胸の匂いをかくように鼻をならしながら頬を撫でつける様子が可愛い。
 でも、何をしてるのか全く分からない。

「柊一さん、何してっ……あ」
「良い香りがする。何の成分だ……甘い」

 生温かい感触が胸に当った。
 柊一さんが私の胸を舐めてると思うとそれだけで一気に体が熱を持った。下腹部が疼く。胸の真ん中には舌を這わせずに胸全体を舐めている。
「ん……柊一さん?」
「なんだ」
「な、なんか、もどかしいの……っ」
 柊一さんがふっと軽く笑った。
 きっと意地の悪い顔をしている。見なくても分かるようだ。
「あっ」
 急に胸の敏感な所に柔らかい舌が当たって思わず声が出る。なんだか変な感じ。
 柊一さんはまたくすりと笑って当たり障りのない部分を手で撫でながら舐める。
 美味しいはずもないのにひたすらに舌を添わすのが不思議になってきた。胸を触られていてもなんだか冷静に柊一さんの微かに動く頭を見てしまう。

「そんなに舐めて……犬みたい」
 何の気なしに言った言葉に柊一さんは過剰に反応した。
 顔を上げて私を見た目が不気味な色に染まっている。あっと思った時には唇を綺麗に吊り上げて微笑んでいた。
「よくそんな無駄口が叩けるな」
 低い声が耳元で囁かれる。その声だけでまた私の肩は震えた。

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