
変人を好きになりました
第25章 日時を定めて
明るい部屋の中で体を晒すなんて……。
ありったけの力で柊一さんの顔を両手で押しやった。
「何をするん――」
「わーーっ」
私が突然叫んだものだから柊一さんは耳を塞いで顔をしかめた。
柊一さんが組み敷いた私の裸体を見ようとしたのだ。
柊一さんの手が離れた時に素早くベッドのシーツを身にまとう。バスローブを着ようと思ったのに、それはベッド脇の床に投げ捨てられていて諦めた。
「何故隠す」
「何故って、は、……恥ずかしいから。だいたい、私だけ脱ぐなんて不公平です!」
そういうと柊一さんはああ、と変に納得したような声をあげて自分のバスローブの紐に手をかけた。
ためらいもなく曝け出された上半身は美しくて息を呑んでしまう。
「あ、あああのっ。そんなそういう意味で言ったんじゃなくって……電気を、消していただけないかなあと」
バスローブが下半身までずりおちようとしているのをぼーっとして見ていた私はギリギリの所で正気に戻って言った。
「電気?」
「はい」
「そうか。忘れていた」
その言葉でなんだ、最初から灯りは消す気でいたんだ。とほっとした。
柊一さんは上半身をはだけたまま傍にあったリモコンで灯りを消した。
ボタンに指が触れるのと同時に部屋が暗くなる。
「……わあっ」
ベッドに座り込んでいた私は考えていなかった目の前の景色に息が止まりそうになった。正確に言えば3秒ほど息をするのを忘れていた。それくらい綺麗なハワイの夜景がそこには映っていた。
「この景色を古都さんに見せたくてこの部屋をとったんだった。気に入ったか?」
柊一さんが私の隣りに腰掛けて声をかける。暗闇の中で全面窓ガラスの正面の扉のような壁から入ってくる煌びやかな光だけが私たちを照らしている。
ありったけの力で柊一さんの顔を両手で押しやった。
「何をするん――」
「わーーっ」
私が突然叫んだものだから柊一さんは耳を塞いで顔をしかめた。
柊一さんが組み敷いた私の裸体を見ようとしたのだ。
柊一さんの手が離れた時に素早くベッドのシーツを身にまとう。バスローブを着ようと思ったのに、それはベッド脇の床に投げ捨てられていて諦めた。
「何故隠す」
「何故って、は、……恥ずかしいから。だいたい、私だけ脱ぐなんて不公平です!」
そういうと柊一さんはああ、と変に納得したような声をあげて自分のバスローブの紐に手をかけた。
ためらいもなく曝け出された上半身は美しくて息を呑んでしまう。
「あ、あああのっ。そんなそういう意味で言ったんじゃなくって……電気を、消していただけないかなあと」
バスローブが下半身までずりおちようとしているのをぼーっとして見ていた私はギリギリの所で正気に戻って言った。
「電気?」
「はい」
「そうか。忘れていた」
その言葉でなんだ、最初から灯りは消す気でいたんだ。とほっとした。
柊一さんは上半身をはだけたまま傍にあったリモコンで灯りを消した。
ボタンに指が触れるのと同時に部屋が暗くなる。
「……わあっ」
ベッドに座り込んでいた私は考えていなかった目の前の景色に息が止まりそうになった。正確に言えば3秒ほど息をするのを忘れていた。それくらい綺麗なハワイの夜景がそこには映っていた。
「この景色を古都さんに見せたくてこの部屋をとったんだった。気に入ったか?」
柊一さんが私の隣りに腰掛けて声をかける。暗闇の中で全面窓ガラスの正面の扉のような壁から入ってくる煌びやかな光だけが私たちを照らしている。
