
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥
キョンシルが案じ顔で応えるのに、ソンは微笑んだ。
「大丈夫、そなたが可愛がっていた鳥をみすみす死なせはしない」
ソンはうっすらと微笑を浮かべたまま、窓辺へと歩んでいった。卓の上の豪奢な鳥籠を覗くと、真っ白な小鳥に声をかける。
「おい、お前までもが死んでしまったら、私のキョンシルが哀しむだろう」
ソンは鳥籠の蓋を無造作に開け、更に女官に命じて窓を開けさせた。
「さあ、帰るんだ。お前の元いた場所に。海を渡り、生まれ故郷の清国に戻るもよし、この新たな国で次の伴侶を見つけるもよし。お前はお前の居るべき場所で生きてゆくが良い」
「大丈夫、そなたが可愛がっていた鳥をみすみす死なせはしない」
ソンはうっすらと微笑を浮かべたまま、窓辺へと歩んでいった。卓の上の豪奢な鳥籠を覗くと、真っ白な小鳥に声をかける。
「おい、お前までもが死んでしまったら、私のキョンシルが哀しむだろう」
ソンは鳥籠の蓋を無造作に開け、更に女官に命じて窓を開けさせた。
「さあ、帰るんだ。お前の元いた場所に。海を渡り、生まれ故郷の清国に戻るもよし、この新たな国で次の伴侶を見つけるもよし。お前はお前の居るべき場所で生きてゆくが良い」
