
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥
ソンの予測は不幸にも的中した。臨尚宮が機転を利かせ、王がキョンシルの部屋で軽い腹痛を訴えたと王の主治医を呼んだのだ。
死んだ雪見鳥を見た医者はひとめで
「中毒死に相違ございませぬ」
と平伏した。
そんな中で、昨日の昼に、見かけない女官がこの殿舎をうろついていたと訴え出る者がいた。その見かけない女官というのが、例の見習い少女を傷めつけた女官たちの首謀者―また、温嬪の前でキョンシルのチマを踏んで転倒させた女官であるらしいことも判った。
証言者の説明を許に図画(トファ)署(ソ)の絵師に描かせた人相書きがあの憎らしい女にうり二つであったのだ。
死んだ雪見鳥を見た医者はひとめで
「中毒死に相違ございませぬ」
と平伏した。
そんな中で、昨日の昼に、見かけない女官がこの殿舎をうろついていたと訴え出る者がいた。その見かけない女官というのが、例の見習い少女を傷めつけた女官たちの首謀者―また、温嬪の前でキョンシルのチマを踏んで転倒させた女官であるらしいことも判った。
証言者の説明を許に図画(トファ)署(ソ)の絵師に描かせた人相書きがあの憎らしい女にうり二つであったのだ。
