
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「どうかしたんですか?」
「いや、大事ない。少し右肩を痛めたようだ」
キョンシルは可愛らしい面を曇らせた。
「骨が折れてなきゃ良いけど。若(トル)さま(ニム)、さっきの大男は火龍って呼ばれていて、大道芸人の一座にいるんですよ。力自慢をウリにしてて、相撲大会ではいつも誰にも負けたことがないわ。そんな強力を相手に真っ向から闘うなんて無謀です」
「さりながら、私が助けなければ、私の代わりにあの子が同じ目に遭っていた」
若者の視線の先に、一人の少年が立っていた。可哀想に、あまりの出来事に怯えて震え、大きな眼を涙で一杯にしている。
「わ、若さま。おいらのせいで、若さまがこんな目に」
「いや、大事ない。少し右肩を痛めたようだ」
キョンシルは可愛らしい面を曇らせた。
「骨が折れてなきゃ良いけど。若(トル)さま(ニム)、さっきの大男は火龍って呼ばれていて、大道芸人の一座にいるんですよ。力自慢をウリにしてて、相撲大会ではいつも誰にも負けたことがないわ。そんな強力を相手に真っ向から闘うなんて無謀です」
「さりながら、私が助けなければ、私の代わりにあの子が同じ目に遭っていた」
若者の視線の先に、一人の少年が立っていた。可哀想に、あまりの出来事に怯えて震え、大きな眼を涙で一杯にしている。
「わ、若さま。おいらのせいで、若さまがこんな目に」
