
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「いいえ、関係なくはありません。この国の民として、幼い子どもや弱い人に無下に乱暴を働くような人を放っておくことはできないんです」
若者を庇うようにスと前に出たキョンシルに、ソマニがまた唾を吐いた。
「ヘッ、女に助けられるとは、つくづく情けねえ野郎だぜ。良いか、今度、俺の前に現れやがったら、次こそぶっ殺してやるからな」
ソマニは棄て科白を投げ、悠々とした足取りで去っていった。遠巻きに眺めていた野次馬たちが慌てて道を空ける。
「あー、酷いことになってるわ」
キョンシルは首を振り、若者に近寄った。
「大丈夫ですか?」
「ああ、たいしたことは―」
言いかけて、若者がウッと右肩を押さえて呻く。
若者を庇うようにスと前に出たキョンシルに、ソマニがまた唾を吐いた。
「ヘッ、女に助けられるとは、つくづく情けねえ野郎だぜ。良いか、今度、俺の前に現れやがったら、次こそぶっ殺してやるからな」
ソマニは棄て科白を投げ、悠々とした足取りで去っていった。遠巻きに眺めていた野次馬たちが慌てて道を空ける。
「あー、酷いことになってるわ」
キョンシルは首を振り、若者に近寄った。
「大丈夫ですか?」
「ああ、たいしたことは―」
言いかけて、若者がウッと右肩を押さえて呻く。
