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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に

「何てことするの!」
 キョンシルは怒りのあまり、震えながらソマニの前に立った。
「あなたは大人として恥ずかしくないの? 小さな子どもに暴力を振るおうとし、それを止めた人に向かってここまで酷い仕打ちをするなんて。人間として恥を知りなさいよ」
「何だ、この娘は。女だからと手加減していたが、お前も俺に可愛がられたいか? いや、どうせ可愛がるなら、お前ほどの別嬪なら地面の上じゃなくて布団の上だな」
 ソマニは下卑た眼でキョンシルを見ている。その前に、よろめきながら若者が割って入った。
「彼女には関係ない。私とそなたが始めた喧嘩だ」

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