
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか
チョンスが起こした事件は今もってトスを苦しめ続けている。自分はさっさとあの世に行って高みの見物と決め込んでいるのかもしれないが、トスはまだ生き地獄で喘いでいるのだ。
―もう良い加減に、トスおじさんを自由にしてあげて。
もしチョンスが眼の前にいたなら、胸倉を掴んで叫びたい。全くの部外者であるキョンシルが話を聞いただけで、ここまで胸が痛いのだ。張本人のトスはさぞや苦しいだろう。
その時、波の音に混じって砂を踏みしめる足音が聞こえた。
「ここにいたのか、随分と探したぞ」
その声で、キョンシルは内心の苦悩から現実に引き戻された。振り向かずとも、誰かはすぐに判る。
―もう良い加減に、トスおじさんを自由にしてあげて。
もしチョンスが眼の前にいたなら、胸倉を掴んで叫びたい。全くの部外者であるキョンシルが話を聞いただけで、ここまで胸が痛いのだ。張本人のトスはさぞや苦しいだろう。
その時、波の音に混じって砂を踏みしめる足音が聞こえた。
「ここにいたのか、随分と探したぞ」
その声で、キョンシルは内心の苦悩から現実に引き戻された。振り向かずとも、誰かはすぐに判る。
