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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか

―これから先、何があっても、あの人の手を放してはいけないよ。
 奇しくもウォンジュンとシヨンの二人がキョンシルに同じ科白をくれた。
 だが、もう遅いのではないだろうか。キョンシルは自分からトスの手を放してしまった。たとえ、もう一度側にいたいと願ったとしても、トスがそれを望んでいるかどうかは判らない。
 キョンシルは暗澹とした想いに駆られながら、浜辺への道を辿った。

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