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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか

「昨夜の私たちを見たのなら、あなたがあらぬ誤解をしてしまっても仕方ないかもしれないわね」
 シヨンには、キョンシルの思惑は最初からお見通しだったようである。シヨンは笑いながら、キョンシルの髪を撫でた。
「大丈夫ですよ。トスさまは世の殿方とは違います。あなたという想い人がありながら、他の女人に心を向けることはあり得ません。それに、万が一、あの方が私の良人のようにあなたを哀しませることがあれば、そのときは私が黙っていませんからね」
 シヨンは笑いをおさめると、話の続きを始め、更に様々な事実が浮かび上がってきた。

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