
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第11章 第二話 【はまなすの咲く町から】 真実
「今さっき、私がおじさんにした質問の応えをまだ聞いていないわ」
「それを俺が応えれば、そなたの気が済むのか」
「ううん」
キョンシルは決然として否定した。
「その応えは私が自分で言うわ。トスおじさん、女の幸せは好きな男と一緒にいることよ。そして、私の―、私の好きな男はトスおじさんだから、私はウォンジュンさまに嫁いでも、幸せにはなれない」
「キョンシル」
トスの整いすぎるほど整った面が強ばった。その瞬間、彼の顔を実に様々な感情がよぎったように思えた。しかし、いずれにせよ、トスにとってキョンシルの恋心は迷惑以外の何ものでもないだろう。初めから判りきっていたことだ。
「それを俺が応えれば、そなたの気が済むのか」
「ううん」
キョンシルは決然として否定した。
「その応えは私が自分で言うわ。トスおじさん、女の幸せは好きな男と一緒にいることよ。そして、私の―、私の好きな男はトスおじさんだから、私はウォンジュンさまに嫁いでも、幸せにはなれない」
「キョンシル」
トスの整いすぎるほど整った面が強ばった。その瞬間、彼の顔を実に様々な感情がよぎったように思えた。しかし、いずれにせよ、トスにとってキョンシルの恋心は迷惑以外の何ものでもないだろう。初めから判りきっていたことだ。
